FILE 01-02 後方美人
- ちょー髪な人のコト 其の壱 -


後方美人(バックシャン)。
それは、後ろから見るととても美人さん♪
しかし、けして正面から見てはいけないといわれるお人のこと
である。

そして、高校時代、この栄えある称号(?)を自他共に認めるあるお方がいた。

それがK場兄ちゃんである。

絵本区域の暇人でも触れたが、K場兄ちゃんの特徴を一言であげるとするならば、肩までらくらく届くほど、当時の地方高校生としてはとても珍しい一昔前のキムタクのごとき長髪である。
しかも、さっらさらのつっやつや。よく、CMなどでやる頭を振ると絹のように流れて広がる髪。
アレを地で行く方だったのだ。

しかも、タッパもあり、姿勢もほどよく、後ろから見る姿は実に申し分ない。
実際その姿を見た者には【まるで、少女マンガみたいねーv】という者もいたほど、後姿に点描の似合う方だった。

では、そんな彼の後方美人たる逸話を披露しよう。
以下日野氏の後日談の抜粋である。

大学進学した私はサークルの先輩にこの話をしてみた。
「ってー人がいたんですよぅ第二にはー」
「えぇえっ、ちょっと待って、あたしその人知ってるーっ」
「ほえ!?」
「その人あたしと同じ年でしょう?」
 確かに二人とも私の一つ上の学年になる。そう頷くと、先輩はふっと乾いた笑いを漏らし、唐突に遠い目をした。……結構、この人もやることが芝居がかった人だったな、そう云えば。
「あたし達の学校の間でも、第二の長髪の人のことは話題でねぇ……」
「ああ……あの人、後ろ姿は美人でしたモンねぇ……」
 結構無礼なことをうっかり口にした途端、飛びつくように先輩は叫んだ。
「でしょう、でしょう、そーなのよーッ。で、あたしの友達の一人が熱上げちゃってねぇ。第二の文化祭、わざわざ自転車で見に行ったのよ」
「うっわ−−−−−−−」
 やめときゃよかったのに。
「それって、その人後悔しませんでした?」
「うん。よくもあたしの夢を壊してくれたわねって怒ってた。半泣きだったよ、その子。まぁ失礼な話だけどさ」
「いやぁまぁうーん」
 気持ちはわからんでもないが。


 K場兄は髪の毛は綺麗だし、背もそこそこイイかんじ。な人だったが。
 如何せん、夢見る乙女の眼鏡にかなうには、ちとお肌が汚すぎたのである。
この評価には日野氏としてもとある事件のわだかまりが多少尾を引いていることは否めない。
が、まぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・おそらく他校に最も、鳴り響く逸話をお持ちであった有名人であった、ということにしておこう。

ちなみに散々切れ切れといわれていたにもかかわらず、【男のポリシー】だ、【ダンディズム】だと教師の注意、友人の忠告を無視して伸ばし続けていた彼。
その後、大学の面接があるということで、ひさびさに顔をあわせた卒業式の当日、ばっさりと自慢の長髪を刈り落として登校。

ああ、【男のポリシー】っていったい!?(笑)

我々下級生のみならず、絵本区域の同類をも驚愕させて、高校生活をしめくくったのである。