FILE 01-06  湾岸戦争打倒フセイン その理由


ちょうど管理人が高校1年、湾岸戦争でNHKの番組は常に変更を余儀なくされていた。

そんな昔のお話です。

そんなある日のこと、新聞閲覧室(ピロティー)でだべっていたときのこと、後からやってきたG藤ことおっさんに、マサミちゃんが猛然と文句を付け出した。

「コラ、G藤、お前、昨日俺に電話を掛けただろう。今度から、あの時間帯にに電話しても、俺でないからな。つーより、お前、コロスから

・・・・物騒な話である。

尊敬する(?)先輩に雷を落とされて、らしくもなくしゅんとなるおっさんをフォローするために、というより純粋に興味から管理人はまさみちゃんに尋ねた。

「昨日、なんかありましたっけ?」
お兄さんズはそろって深刻な面持ちでうなずいた。
「こいつはよりにも寄って、昨日の夜7時台に電話を掛けてきたんだよ」

・・・・・それのどこが・・・?

まだ、納得できない管理人にまさみちゃんは重々しく告げた。

「しかも、【ナディア】(注)の放送中に」

    (注)ナディア→【不思議の海のナディア】
       1990年のNHK放送アニメ。ジューヌ・ヴェルヌの名作【海底2万海里】を
       原作、としたわりには完膚なきまでに別物に仕上がった名(迷)作。
       GAINAX、そして庵野監督が制作しているためなのか、タイムボカンを彷彿と
       させる3悪トリオやメカをはじめとしてマニア心をくすぐりまくった一品でもあった。
       個人的には、後のエヴァにつながるネオ皇帝の背中コンセントがツボ。
       ディ○ニーの新作映画【アトランティス】は「ナディア」のパクりともっぱらの噂
       だが、最近映画公開への嫌がらせのようにDVDを発売。

「おれはコイツのせいで一番オイシイとこを見逃したんだよっっ」
 くくぅっとこぶしを握り締めるまさみちゃん。
「いや・・って、まさみちゃん、ビデオ録ってないんすか?」
「録ってるにきまってるだろ!」
 まさみちゃんは大きく胸を張って断言した。

録画とライブは別物なんだ!
その一瞬一瞬の輝きを留めないでどうする!?
後から
録画でごまかすなんてことできるわけないだろう」


・・・・・・・・うわーい(笑)

一瞬一瞬の輝きって・・・・アニメなのに・・・・(爆)

純粋に熱く燃えてる人間には、何を言っても無駄であることをこのとき管理人は痛感した。




その後暫く、何事もなく日々は過ぎた。
そして、唐突にコトは起こった。



場所はまたしても、新聞閲覧室。

おにーさんズに奢ってもらったイチゴ牛乳を幸せに飲んでいた管理人は、唐突につぶやいたまさみちゃんのセリフに目を点にした。

「悪ィ。俺らが暫く姿消したら、正義のために殉じたって思ってくれていいから

「・・・・・は?」

セイギのためですか。なんですか、それ?

  頭の中にこのとき百万語渦巻いてたってこのとき誰も文句は言えなかっただろう。

「姿消すって、どっか旅行でもいくんですかー?」

受験前だろう、アンタガタ。

でも、とりあえず、行くんだったら土産プリーズ。


そう言外の意味を込めたつもりの管理人の質問に、スポック兄ちゃんは答えた。

「まー、すぐってわけじゃないけど、状況しだいじゃ考えないとねー」
「このままだと俺ら、我慢できないんだわ」

「・・・・すんません、具体的に・・・・」

なんだか、意味不明の説明に管理人がギブアップすると、まさみちゃんはまじめに答えた。

「フセインの野郎のせいで、NHKが特番組みまくってんだろ」

「あー、そーいえば。けどあんま、見てないですけどね」

「ナディアがつぶれるんだ」

「・・・・・・・・・・・はい?」

「もぅ、2週もつぶれてるんだよ。このままだと、打ち切りっぽいんだよ。
これ以上続くようだったら、ちょっとフセイン暗殺してこよーかと思って」

「・・・・・・・・・・・」

一介の高校生ができるのか、暗殺。
それ以前に、ナディアの放送のためって、それって正義なの?

ストレートにNHKに抗議の手紙出したほうがいいんじゃねぇか?


世の中にはいろんなことを考える人がいるもんだなーと、ちょいと眼前の現実から目をそらしたくなった、ある日の放課後のお話。