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春闘、始まりの日
(生産機械系列 第3話)

「あンなぁ、ワイ、前から気になっとることがあるんやけどなァ」
 ウルフウッドがそうヴァッシュに切り出したのは、ちょうど昼食のことだった。
「ん? なに?」
 と、サーモンサンドを幸せそうに頬張りながら、ヴァッシュが聞き返すと、牧師は口篭もりながらも、街の中心にそびえるプラントを指し示した。
「なんで、今ごろになってプラントはあないなストライキ始めんたんやろか」
「…………」
「なぁ、何でや?」
 しばし、沈黙のままもぎゅもぎゅと食事に勤しんでいたヴァッシュもウルフウッドの執拗な問いにようよう口を開いた。
「話せば長いことなんだけどね……」
「? どないなっとるっちゅうねん」
「……人間がこの惑星に下りて、植民を始めてまもなく、プラントたちはストライキを起こしてはいたんだよ」
 と懐かしそうにヴァッシュは当時を振り返った。

  ……時をさかのぼること、150年前。

 ナイブズ: 「オレが愚民どもと交渉してきてやる」
 ヴァッシュ:「ナイブズ、それはいいけど無茶なことしないでくれよ!? 穏やかにさ」
 ナイブズ: 「心配するな、ヴァッシュ!
         奴らは所詮、プラントがなければ何も生み出せない愚かな下等種なんだ!
         俺とお前とで新たなエデンを作るため頑張ってくるさ」
 ヴァッシュ:「…ってそーゆー意味じゃないんだって! ちょっと待ってよ、ナイブズ!?」
 
 ――交渉の場にて――

ナイブズ:「最低10倍だ。我々はビタ一文、負けるつもりはないがな」(←無意味にエラそう)
代表:  「困りましたなァ。しかし、そちらの実情もよく分かりました。
      ということで、今までの報酬を二乗するというのはいかかでしょう?」
ナイブズ:「……二乗だと?」
代表:  「(びくっ)……ええ、マァ、10$$でしたら10×10で100$$、40$$でしたら、
      1600$$ということで」
ナイブズ:「…………」
代表:  「あ、あの……?」
ナイブズ:「よし分かった! それで手を打ってやろうじゃないか」

「……ってね」
 とそこでヴァッシュはお茶を一口含んだ。
「エエ話やないか」
「続きがあるんだってぱ」

 ――プランツ会議(笑)にて――

ナイブズ:  「というわけでな、今までの倍もらえることになったぞ」
ヴァッシュ: 「凄いよ、ナイブズ! さすがだねv」
          ナイブズ、ヴァッシュに抱きつかれて、鼻の下を長くしている。
          と、一つのプラントが質問を投げる。
プラントA:「あのぅ、私たち今幾ら貰ってるんでしたっけ?」
ナイ&ヴァ: 「……さあ?」
プラントB:「あ、ここに契約書あります〜。えっとぉ」
         ごそごそごそごそ
プラントB:「…………」
ヴァッシュ: 「? どうしたんだい?」
プラントB:「…………0.4$$ですぅ〜」
ヴァッシュ: 「……ってことは0.4の二乗だから〜」
        しぱし沈黙がありる。
プラントA:「0.16$$?」
        ぴゅるりら〜と冷たい風が吹きすぎた。
        ヴァッシュ+すべてのプラントの冷たい視線を浴びて、思わず後退さるナイブズ。
ヴァ+プラント一同:
        「減らしてどぉするんじゃーっっっっ!」

ちゅどこぉぉぉぉぉんっっっ!(全員の突っ込みが炸裂)

「……ってさ」
 ぴしぃと音を立てて、牧師の中で何かが砕け散った。
「…………」
「大体、ナイブズだって僕と一緒に人間と一緒に育ったくせに、世間知らずでさぁ」
「……(それはお前もやろが)」
 硬直したまま、何もいえなくなっているウルフウッドを尻目に、ヴァッシュはのんびりと回想に耽っている。
「ま、こないだあったときも思ったけど、精神的ショックで本人忘れてるみたいだったな〜」
「……」
 牧師は黙ってレシートを掴むと席を立った。
「……アレ? どしたの、ウルフウッド?」
「アホクサ、お前らの兄弟喧嘩にこれ以上つきおうてられるかいな」
 ガタガタっと椅子を退いて、慌ててヴァッシュがその背を追いかけた。
「ちょ、ちょっと待ってよ、ウルフウッド! 僕のこと、ナイブズのとこまで連れてってくれるんじゃなかったの?」
 後には食べかけのサーモンサンドがぽつんと残っていたそうな。


【バカ一代】完!

真人:原作設定の跡形もない形になってます。…………(;;)
    でも、結構好きなんですよね〜、このノリはv