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| ぷしゅーっっと音を立てて、バラム駅に列車が止まる。 青い海、豊な緑、晴れ渡った空に柔らかい春風。 エスタからの長旅を終えて街に降り立った一行を迎えたのは、これ以上ないほどの上天気だった。 「どしたの、スコール?」 異国情緒たっぷりの白い街並みに目を奪われていたスコールは、ぽんぽんと肩を叩かれた。振り返るとそこには姉のエルオーネがにっこりと微笑んでいる。 「……いや、いい町だな、と思って」 口篭もりながらスコールが言うと、エルオーネはにっこりして後から降りてきた養父母たちに肩をすくめて見せた。 「だよねぇ? なのに、レインが一度も里帰りしたことないなんておかしいと思わない?」 「しっかたねぇだろぉ? ずぅ〜っとあっちこっち飛び回ってたんだからよぅ。これも一流ジャーナリストの『因縁』ってやつか?」 娘の聞こえよがしの言葉にラグナが頭をかくと、後ろの悪友はすかさず修正した。 「それを言うなら『宿命』だろう、ラグナ君」 「だっけか?」 「ついでにいうと、忙しかったからじゃなくて単に顔を出しづらかっただけじゃなかったのかね?」 突っ込みに口をぱくぱくさせて言葉を捜すラグナに、レインはぴたりと寄り添った。 「ラグナおじさんとレイン、駆け落ち同然だったんでしょ?」 「ふふ、そうなのv」 エルオーネの質問にレインは笑うと、ラグナの腕に手を絡ませた。 「お互いに一目惚れしてね。でも、特に兄さんが猛反対で」 当時を思い出しているのか、レインはくすくすと笑うと心配そうに見ているラグナに笑顔を見せた。 「それで飛び出したから、ラグナも私もちょっと足が向けられなかったのよね」 「そうなんだ〜。でも、そしたら今度は何で?」 「でも、こっそりお義姉さんにだけは連絡とってたのよ」 「あ、それで結婚式の招待状が着たんだ」 「……母さん、誰が結婚するんだ?」 きゃわきゃわと盛り上がる女性陣に、スコールは躊躇いがちに口を挟んだ。 「あら、スコールにはまだ伝えていなかったの、エル?」 「だいたい、エルお姉ちゃん。俺が学校から帰ってきたら、いきなり母さんの実家行くわよーってリフターに押し込んだんじゃないか」 「そうだっけ?」 あらあら、しょうがないわねぇというかのようにレインは苦笑した。 「従姉妹のキスティスよ。叔父さんには3人子供がいるんですって。仲良くなれるといいわね、二人とも」 「別に……」 黙り込んだスコールに二人とも顔を見合わせた。 「ったく、スコールは恥ずかしがりやさんねぇ。おじさんにもレインにも似て美人なんだから自信持ちなさいよ。 エルおねぇちゃんに任せなさいって」 胸を叩いてみせるとエルオーネは、二人の腕を抱え込むようにして歩き出した。 「早く行きましょ。ラグナおじさんたちに置いてかれちゃうわよ」 見れば先の方でラグナが、おぅいと手を振っている。 「ホラ、競争競争♪ スコールも走って走って!」 手招きする姉の押されて、しぶしぶスコールは走り始めた。 |